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個別指導(医科)での基本診療料のチェックポイントです。保険診療の指導監査の対応は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療確認事項リスト(2):基本診療料(初診料等)

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導の対応業務を行っています。

指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、厚生労働省の保険局医療課医療指導監査室が公表した、医科の保険診療確認事項リスト(基本診療料、初・再診料、入院料、入院基本料、入院基本料等加算、特定入院料、短期滞在手術等基本料の部分)をご紹介します。平成30年度改訂版ver.1809に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

また、個別指導については、以下のコラムもご参考下さい。
1 個別指導(医科)の上手な対応法

基本診療料

 1 初・再診料

□① 初診料・再診料・外来診療料 [A000][A001][A002]
 □・現に診療中の患者に対して新たな傷病の診断を行った際に、初診料を算定している。
 □・慢性疾患等明らかに同一の疾病又は傷病の診療を行った場合に、初診料を算定している。
 □・電話等による再診について、再診以後、当該患者又はその看護に当たっている者から直接又は間接に、治療上の意見を求められて、必要な指示を行った場合に該当しないものについて算定している。(平成30年3月31日以前の一連の診療が終了するまでの間)
 □・電話等による再診料の算定に際して、医学管理等を算定している。
 □・電話等による再診料の算定に際して、予約に基づく診療による特別の料金を徴収している。

□② 加算等
 □ア [ 時間外加算 ・ 休日加算 ・ 深夜加算 ・ 夜間・早朝等加算 ]
  □・受診[ 時間 ・ 日 ]が該当しない。
  □・時間外加算について、常態として診療応需の態勢をとっている時間に算定している。
 □イ 外来管理加算
  □・患者からの聴取事項や診察所見の要点について診療録への記載が[ ない ・ 不十分である ]。
  □・やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合であるにもかかわらず算定している。
 □ウ [ 地域包括診療加算[1・2] ・ 認知症地域包括診療加算[1・2] ]
  □・患者の同意を[ 得ていない ・ 得たことが明らかではない ]。
  □・患者の担当医以外が診療した場合に算定している。
  □・患者が受診している医療機関を全て把握していない。
  □・患者に対して他医療機関から処方されているものも含めた全ての医薬品を[ 管理していない ・ 管理していることを診療録に記載していない ]。
  □・健康診断や検診の〔 受診勧奨を行っていない ・ 結果等を診療録に記載していない 〕。
  □・(直近1年間の受診歴が4回未満であるにもかかわらず)初回算定時に患者の署名付の同意書を[ 作成していない ・ 診療録に添付していない ]。
 (地域包括診療加算のみ)
  □・院内掲示により[ 健康相談 ・ 介護保険に係る相談 ]の対応が可能なことを周知していない。
  □・患者から[ 健康相談 ・ 介護保険に係る相談 ]の求めがあった場合に適切に対応していない。
 □エ 薬剤適正使用連携加算
  □・他の保険医療機関等に対して行った〔 情報提供や連携に関する文書がない ・情報提供内容について診療録等への記載がない 〕。
  □・入院又は入所先の他の保険医療機関等に対し、処方内容、薬歴等についての情報提供をしていない。
  □・入院・入所先の処方内容について、患者の退院又は退所後1か月以内に他の保険医療機関等から情報提供を受けていない。

□③ オンライン診療料 [A003]
 □・患者の同意を[ 得ていない ・ 得たことが明らかではない ]。
 □・対面による診療とオンライン診察を組み合わせた診療計画を作成していない。
 □・診療計画に基づかない他の傷病に対する診察について算定している。
 □・連続する3月の間に対面診療が1度も行われていない場合に算定している。
 □・対面診療とオンライン診察を同月に行った場合に算定している。
 □・オンライン診察を行う医師が、オンライン診療料対象管理料等を算定する際に診察を行う医師と同一の医師でない。
 □・[ 診察の内容 ・ 診察を行った日 ・ 診察時間 ]等の要点について診療録の記載が[ ない ・ 不十分である ]。

 2 入院料

□① 入院診療計画 [第1章第2部通則7]
 □ア 入院診療計画を策定していない。
 □イ 入院後7日以内に説明を行っていない。
  □入院料等の施設基準等の一つとして、入院診療計画は入院後7日以内に患者、家族等に説明を行うと規定されていることに十分留意されたい。
 □ウ 説明に用いた文書を患者に交付していない。
 □エ 説明に用いた文書の写しを診療録に貼付していない。
 □オ 説明に用いた文書について、写しを患者に交付し原本を診療録に貼付している。
 □カ [ 一部の ][ 患者用クリニカルパスを入院診療計画書として用いているもの
  ・ 入院診療計画書の様式 ]について、参考様式で示している以下の項目がない。
   □・病棟(病室)
   □・特別な栄養管理の必要性
 □キ 説明に用いた文書について、参考様式で示している以下の項目についての記載がない。
  □・年月日
  □・主治医氏名
  □・病棟(病室)
  □・主治医以外の担当者名
  □・病名
  □・症状
  □・治療計画
  □・検査内容及び日程
  □・手術内容及び日程
  □・推定される入院期間
  □・特別な栄養管理の必要性
  □・その他(看護計画、リハビリテーション等の計画)
 □ク 説明に用いた文書について、記載内容が[ 不十分である ・ 不適切である]。
  □・特別な栄養管理の必要性が[ ある ・ ない ]にもかかわらず、[ 「無」・ 「有」 ]になっている。又は特別な栄養管理の必要性が一律に[ 「無」 ・「有」 ]と記載されている。
  □・「その他(看護計画、リハビリテーション等の計画)」の記載内容が画一的であり、個々の患者の病状に応じたものとなっていない。
  □・平易な用語を用いておらず、患者にとって分かりにくいものとなっている。
  □・主治医氏名について、記名のみで押印がない。
 □ケ[ 医師 ・ 看護師 ]のみが計画を策定し、関係職種が共同して策定していない。
 □コ 本人又は家族等の署名がない。

□② 院内感染防止対策 [第1章第2部通則7]
 □ア 各病室に水道又は消毒液を設置していない。
 □イ 各病室の入口に消毒液を設置しているものの、[ 中身が空である ・ 使用していない ]。職員に院内感染防止対策の趣旨を理解させ、病室に入る際の手指消毒を徹底すること。
 □ウ 院内感染防止対策委員会の構成が適切でない( が委員に入っていない)。
 □エ 院内感染防止対策委員会を月1回程度、定期的に開催していない。
 □オ 院内感染防止対策委員会の一部の委員( )の出席率が低い。
 □カ 検査部の「感染情報レポート」の作成が週1回程度ではなく[ ]となっている。
 □キ 「感染情報レポート」について、耐性菌のみでなく各種細菌の検出状況等を含めて作成すること。

□③ 医療安全管理体制 [第1章第2部通則7]
 □ア 安全管理の責任者等で構成される委員会を月1回程度開催していない。
 □イ 委員会の一部の委員( )の出席率が低い。
 □ウ 職員研修を年2回程度実施していない。
 □エ 医療事故等の報告制度について、[ 職員 ・ 医師 ]が適切に報告していない。[ 職員 ・ 医師 ]に対して一層の啓発に努めること。

□④ 褥瘡対策 [第1章第2部通則7]
 □ア 日常生活の自立度が低い入院患者について、参考様式で示している危険因子の評価を実施していない。
 □イ 褥瘡に関する危険因子のある患者及び既に褥瘡を有する患者について、褥瘡に関する診療計画を作成していない。
 □ウ 診療計画の様式について、参考様式で示している項目を網羅していない。
 □エ 届出された専任の[ 医師 ・ 看護職員 ]が[ 褥瘡対策に関する診療計画を作成していない ・ 褥瘡対策の評価を行っていない]。
 □オ 届出された専任の[ 医師 ・ 看護職員 ]以外の[ 医師 ・ 看護職員 ]が[ 褥瘡対策に関する診療計画を作成している ・ 褥瘡対策の評価を行っている]。

□⑤ 栄養管理体制 [第1章第2部通則7]
 □ア 特別な栄養管理の必要があるにもかかわらず、栄養管理計画を作成していない。
 □イ 栄養管理計画書の写しを診療録に貼付していない。
 □ウ 栄養管理計画書に必要事項( )の記載がない。
 □エ 栄養管理計画を作成した患者について、[ 栄養状態管理を定期的に行っていない・ 栄養状態を定期的に記録していない ・ 栄養状態を定期的に評価していない ・必要に応じた計画の見直しを行っていない ]。
 □オ 多職種の医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備していない。

 3 入院基本料

□① [ 療養病棟 ・ 有床診療所療養病床 ]入院基本料 [A101][A109]
 □・定期的(少なくとも月に1回)な患者の状態の評価及び入院療養の計画の見直し[ を行っていない ・ の要点を診療録に記載していない ]。
 □・入院時と退院時のADLの程度を診療録に記載していない。
 □・医療区分に係る評価が不適切である。
 □・ADL区分に係る評価が不適切である。
 □・医療区分・ADL区分等に係る評価票又はその写しを[ 交付 ・ 診療録に貼付 ]していない。

□② 障害者施設等入院基本料 [A106] を算定しているが、特定患者の減額をしていない。

 4 入院基本料等加算

□① 臨床研修病院入院診療加算 [A204-2]
 □・研修医の診療録の記載に係る指導医の[ 指導 ・ 確認 ]が[ ない ・ 速やかに行われていない ]。

□② 救急医療管理加算[ 1 ・ 2 ]・救急医療管理加算(乳幼児加算・小児加算)[A205]
 □・加算対象の状態ではない患者に対して算定している。

□③ 重症者等療養環境特別加算 [A221]
 □・加算対象の状態ではない患者に対して算定している。

□④ 緩和ケア診療加算 [A226-2]
 □・緩和ケア診療実施計画書について[ 作成していない ・ 患者に交付していない]。
 □・緩和ケア診療実施計画書の写しを診療録に添付していない。
 □・緩和ケア診療実施計画書の様式に、別紙様式3で示している項目がない。
 □・「 」がない。

□⑤ 有床診療所緩和ケア診療加算 [A226-3]
 □・緩和ケア診療実施計画書について[ 作成していない ・ 患者に交付していない]。
 □・緩和ケア診療実施計画書の写しを診療録に添付していない。
 □・緩和ケア診療実施計画書の様式に、別紙様式3で示している項目がない。
 □・「 」がない。

□⑥ 精神科措置入院退院支援加算 [A227-2]
 □・患者の入院中に、退院後支援のニーズに関するアセスメントの結果及びこれを踏まえた計画にかかる意見書を都道府県等へ提出していない。

□⑦ 精神科隔離室管理加算 [A229]
 □・隔離の理由について診療録に記載していない。
 □・1日1回の診療の内容を診療録に記載していない。

□⑧ 栄養サポートチーム加算 [A233-2]
 □・栄養状態の改善に係るカンファレンス及び回診が週1回程度開催されていない。
 □・チーム構成員の一部 ( )が栄養管理に係る研修を修了していない。
 □・回診に当りチーム構成員の一部( )が参加していない。
 □・加算対象の状態ではない患者に対して算定している。
 □・栄養治療実施 [ 計画 ・ 報告書 ]を作成していない。
 □・診療を担当する保険医、看護師等と共同で栄養治療実施計画を作成していない。
 □・栄養治療実施 [ 計画 ・ 報告書 ][ を当該患者に説明、交付 ・の写しを診療録に添付 ]していない。
 □・退院・転院時の診療情報提供書に、栄養治療実施報告書を添付していない。

□⑨ 褥瘡ハイリスク患者ケア加算 [A236]
 □・加算対象の状態ではない患者に対して算定している。
 □・専従の褥瘡管理者以外の者が実施したものについて算定している。
 □・[ 褥瘡リスクアセスメント票 ・ 褥瘡予防治療計画書 ]を作成していない。

□⑩ 総合評価加算 [A240]
 □・総合的な機能評価の結果について患者及びその家族等に説明した内容の診療録への記載が[ ない・ 不十分である ]。

□⑪ 呼吸ケアチーム加算 [A242]
 □・人工呼吸器離脱のために必要な診療とは言えないものについて算定している。
 □・診療計画書が作成されていない。

□⑫ 入退院支援加算[ 1 ・ 2 ・ 3 ] [A246]
 □・退院支援計画書を[ 作成していない ・ 患者に交付していない ]。
 □・退院支援計画書の写しを診療録に貼付又は内容を診療録に記載していない。
 □・退院先について、診療録に記載していない。
 □・退院支援計画を実施するにあたってのカンファレンスに[ 病棟の看護師 ・ 病棟に専任の入退院支援職員 ・ 入退院支援部門の看護師 ・ 社会福祉士 ]が参加していない。

□⑬ 認知症ケア加算[ 1 ・ 2 ] [A247]
 □・看護計画を作成していない。
 □・看護計画に基づき認知症症状を考慮したケアを実施していない。
 □・看護計画・ケアの評価を行っていない。
 □・身体的拘束を実施した場合の点数を算定した場合、身体的拘束の開始及び解除の日、必要な状況等が診療録等に記載されていない。

 5 特定入院料

□① 救命救急入院料[ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ] [A300]
 □・実態として、予定入院の患者であるにもかかわらず算定している。

□② 特定集中治療室管理料[ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ] [A301]

□③ ハイケアユニット入院医療管理料[ 1 ・ 2 ] [A301-2]

□④ 脳卒中ケアユニット入院医療管理料 [A301-3]

□⑤ 新生児特定集中治療室管理料[ 1 ・ 2 ] [A302]

□⑥ 総合周産期特定集中治療室管理料 [A303]
 □ア 母体・胎児集中治療室管理料
 □イ 新生児集中治療室管理料

□⑦ 回復期リハビリテーション病棟入院料 [ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ・ 5 ・6 ] [A308]
 □・[ 入院時 ・ 転院時 ・ 退院時 ]に日常生活機能評価の測定を行っていない。
 □・[ 入院時 ・ 転院時 ・ 退院時 ]に行った日常生活機能評価の結果について、診療録に記載していない。

□⑧ 地域包括ケア病棟入院料[ 1 ・2 ・ 3 ・ 4 ]
地域包括ケア入院管理料[ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ][A308-3]

 □・入室から7日以内に[ 診療計画書 ・ 在宅復帰支援計画 ]を作成していない。
 □・退室先を診療録に記載していない。

 6 短期滞在手術等基本料

□・術前に別紙様式8を参考にした同意書を作成していない。
□・短期滞在手術等基本料について、退院翌日に患者の状態を確認する等、十分なフォローアップを行っていない。


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指導監査のコラム


医科の指導監査のコラムです。
個別指導、監査の際に、また日常の医院運営、臨床にご活用下さい。

 保険診療の確認事項リストのコラム

1  保険診療確認事項リスト(1):診療録、傷病名

2  保険診療確認事項リスト(2):基本診療料(初診料)

3  保険診療確認事項リスト(3):医学管理(特定疾患治療管理料)

4  保険診療確認事項リスト(4):在宅医療(訪問診療料)

5  保険診療確認事項リスト(5):検査、画像診断、病理診断

6  保険診療確認事項リスト(6):投薬、注射、薬剤料

7  保険診療確認事項リスト(7):リハビリテーション

8  保険診療確認事項リスト(8):精神科専門療法、処置、手術

9  保険診療確認事項リスト(9):薬剤(薬剤管理指導料)

10 保険診療確認事項リスト(10):看護、食事、寝具

11 保険診療確認事項リスト(11):管理、請求事務、施設基準

12 保険診療確認事項リスト(12):包括評価(DPC)

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消

3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求

4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正

5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成

6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分

7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分

8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

9  保険医取消の実例:個別指導の中断、中止、監査での取り消し

10 保険医取消の実例:架空請求の情報提供での保険医の取り消し

11 保険医取消の実例:廃止した医院への個別指導を経ない監査

12 保険医取消の実例:患者の情報提供による個別指導

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